2019
07.11

絶対に社内の人間にバレずに、M&A会社売却を検討する方法

M&Aで会社売却をする心構え, M&Aのお金(価格・税金), M&Aのチーム管理

M&Aで会社売却を検討されるオーナー社長様が、必ず知っておいていただきたいことがあります。

M&A会社売却を検討していることは、できるだけ極めて限定的な関係者限り、内密にしておいた方がよいという事です。

特に、ユニークな強みを持つ会社のオーナー様にとっては、非常に非常に重要です。

M&Aで会社売却を検討しているという事実自体が、会社の価値を棄損するリスクがあり、うかつにこの情報(会社が売却されようとしているという事実)を管理したことで、社内外にその情報が漏れてしまい、結果、会社売却が失敗するリスクが増すという現実です。

 

会社売却検討中であることがバレると何が起きるか?

何故、内密にしておくことが重要かと言えば、
・社内の役員・従業員が動揺し、進行期業績が下がる
・社内の役員・従業員から得意先や取引先に漏れて、得意先や取引先が身売りしないといけない事態と勘違いされて、進行期実績や今後の業績見通しが下がる
・社内の役員・従業員が過剰反応して、退職者が急激に連鎖的に増える(優秀ですぐに転職先がみつかる方から)
つまり、とりかえしのつかない状況に陥る場合があるのです。
もちろん、企業価値が下がっているので、株の売却代金も下がることになります。
特に、ユニークな強みのある会社の場合、ユニークなスキル人材の絶妙な組み合わせ、組織力、アイデア、実行力等が、企業価値の源泉になっているケースも多いでしょうから、上記のような事があると、平凡な事業の会社よりもネガティブインパクトは大きくなりがちです。ユニークな強みのある会社のユニークさは、常に諸刃の剣であり、繊細に情報管理しながら、検討を進めていく必要性が高いと言えます。

会社売却を伝える最適なタイミング

役員・従業員にM&A会社売却の事実を伝達するタイミングは、
・譲受先との合意が固まって、役員・従業員に安心して働いてもらうための、雇用条件等を責任をもって伝えられるタイミングになってから、
が鉄則です。
当然ですが、永久に隠しとおすことはできません。
大事なのは、推測ではなく、最終契約書に基づいた明瞭な事実に基づいて、役員・従業員の今後の生活や勤務に対する疑心暗鬼を打消し、安心してもらうことです。
何をどのように伝えるべきか、経験豊富なM&Aバンカーに相談すれば、色々と気をつけるべきことを助言してくれます。
偏向的なマスコミ報道や浅薄なドラマ等の影響のせいか、M&Aをすると、自動的に従業員が苦しむ等の誤解が依然として一部に蔓延していますが、基本的に、せっかく高いお金を出して買収した会社の従業員を意味なくいじめても、会社の価値が下がって損をするのはバイサイド(買い手)ですから、そもそも、合理的な範囲での業務内容のブラッシュアップ等は当然してもらうとして、単なるイジメをするはずがないのです(セルサイドFA(売り手につくM&A助言会社)が、バイサイドにしっかりと情報開示をして、「どのようなことをすれば企業価値が向上し」、「どのようなことをすると企業価値が下がるか」を的確に伝えていて、バイサイドが、誤解なく、不必要な人員削減をしないようにしていれば、という前提が付きますが)。

 

どういうときにバレてしまうのか?

また、どういう場面で、社内の役員・従業員の方に、会社売却を検討中であることがバレてしまうかというと、
M&A助言会社の会社訪問が頻繁にあって受付の方が知る
M&A助言会社との契約書総務等の方が見てしまう
M&A助言会社からの請求書経理の方が見てしまう
M&A助言会社からの郵送物色々な部署の社内の方が見てしまう
と、さまざまな局面でバレてしまうリスクがあります。

 

どのような対策を取るべきか?

では、このようなリスクを重視して、慎重に、でも成功の高みも目指したいオーナー様は、どのような対策を取るべきか、です。

・まず第一に、M&Aを容易に連想させる社名や部署名のM&A助言会社は選ばない
(大きな金融機関のM&A部門は、「コーポレート〇〇」とか「企業情報○○」とか、その名刺を見たり部署名を聞いても、ほとんどの人は何をしている人かわからないように配慮されてます。社名や部署名には、バレるリスクへの配慮が端的に表れているのです。特に上場会社が絡むM&Aの場合、インサイダー取引という犯罪行為に発展する可能性もありますから、金融商品取引法という難解な法律をよく知らずに悪気もなく犯罪者になってしまう役員・従業員を出さないためにも、こういう配慮をしているM&A助言会社を選ぶべきでしょう。逆に、ズバリ入れておく理由が何かと言えば、テレアポ等をした瞬間で、会社売却ニーズの有無を確認できて効率的など、業者都合を優先しているという仮説に特段の違和感はありません。)

・必要に応じて、M&A助言会社であることがわからないような別の法人格を使って、郵送・請求・訪問をしてくれるM&A助言会社を選ぶ

がリスクを小さくすることにつながります。

こういうM&A助言会社は、様々な面での細やかな配慮が期待でき、業者都合の象徴である無造作バラまき提案による企業価値棄損の心配も不要になりますから、安心感は高まります。

(逆に、特徴の少ない平凡な事業の会社を売る場合、社内の従業員等が会社のオーナー・社長が変わることに関心がない場合は、このような配慮まみれの繊細な対策を取ることが、悪い結果をもたらすこともありえます(時間がかかる、手間がかかる、売れにくい等)から、状況に応じて、適宜、ご自身で情報収集をしていただき、慎重なる比較検討の上で、自己責任でご判断されることを強くオススメします。)

 

ちなみに「ユニークな会社を高く売る」を基本目標にしている弊社の場合、もちろん社名からすぐに連想されることはないにしても、
「何だろう、この会社?」と不思議に思った従業員の方が、弊社の社名でGoogle検索すれば、「オーナー様がM&A検討中であること」がバレてしまいます。
そこで、弊社は、訪問・郵送・請求等のときには、状況やご希望に応じ、公認会計士事務所別法人をご用意しており、このようなリスクを極小化する準備をしています。

例えば、請求書は、会計士事務所の肩書を使い、訪問時は、まったく何をしているのか不明な法人名を使って、などの使い分けもできます。

神は細部に宿る』と言いますが、こういう細かい配慮に『M&A助言会社が本当にクライアント様の利益を大事に考えるアドバイザーかどうか』がジワリと滲み出てくるものと考えており、万が一のリスクのため、コツコツと様々な局面でのリスク管理の準備しているつもりです。

 

 

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